あらすじ
警察組織の奥には、存在しないことになっている課がある。
正式名称、夜間記録課。
通称、夜録課。
そこに回されるのは、通常の事件として扱えない事案ばかり。
町内放送に混じる子守唄。
一軒多い回覧板。
住民票に現れる知らない同居人。
防犯カメラにだけ映る通学路。
遮断機が上がらない、廃止済みの踏切。
夜録課に所属する職員たちは、怪異を倒す者ではない。
彼ら自身もまた、かつて何らかの事案に巻き込まれ、普通の生活へ戻れなくなった者たちである。
これは、事件にならなかったものを記録するためのファイルである。