あらすじ
雨の降る日にだけ現れる、不思議な店「記憶の忘れ物屋」。
店主の青年は、客が持ち込む「忘れたい記憶」や「忘れてしまった記憶」を管理・保管している。
ある日、初老の男性が一本の古い栞を手に店を訪れる。
彼はその栞を見ると胸が疼くものの、肝心な記憶を思い出せずに苦しんでいた。
店主が栞に触れて過去を紐解くと、そこには戦時中に隠した「言葉にできなかった別れ」という、あまりにも切なく深い記憶が封印されていた。
真実を知った男性が、その痛みとどう向き合うのか。
記憶を預け去るのか、それとも痛みと共に生きる道を選ぶのか――。
哀しみと優しさが交錯する、ひとときの記憶の対話を描いたファンタジック・ショートストーリー。