あらすじ
ある日の会社の昼休み。ユウのオフィスに、深い黒に銀色がきらめく美しい長髪を揺らした漆黒のドール・レンが音もなく現れる。
レンはユウの気高さに歪んだ偏愛を抱き、彼女を精神的に切り刻むための「濃厚ないじり」を仕掛け、その冷酷な指先をユウの首筋へと這わせていく。オフィスに甘く危険な空気が満ちたその瞬間、
「レン、お前……やっぱりオレのことなんか、どうでもいいんだ……っ!」
パーテーションの影でその濃厚な光景を目撃してしまったのは、ラピだった。レンへの不器用な独占欲をようやく自覚し始めた矢先の裏切り。人間に捨てられた過去のトラウマと激しい絶望から、青みがかった黒い無造作な髪を揺らしたラピは、大粒の涙を流して雨の街へと逃げ去ってしまう。ラピの初めての涙と逃亡に、レンは余裕の仮面を剥ぎ取られ、これまでにない焦燥に硬直する。
「――レン。いい加減にしなさい」
ユウの「魔力」の逆鱗がレンを弾き飛ばす。呆れ、激怒したユウの一喝に圧倒されたレンは、ラピを失う恐怖から地下の閉ざされた鉄門の前で大暴走を開始。館を物理的に破壊しかねない漆黒の魔力を爆発させるが、上階から白銀のルカが「主様の睡眠の邪魔だ」と面倒くさそうに黒い茨でレンを床に叩き伏せて排除する。子供たちが防衛に走り、サクが呆れる混沌のなか、ユウは一人、ラピの元へと向かう。地下の最果てで、一人傷を抱え込むラピを人間の体温で温かく、優しく包み込んで説得するユウ。
ユウの腕からラピの華奢な身体を強引に奪い去り、地下室の密室へと引き籠もる。
「離しません。あなたが消えてしまうのではないかと、この私が、本気で絶望したのですよ……!」
レンの剥き出しの独占欲と執着が大爆発する。ラピの細い腰を引き寄せ、壊れ物を扱うように甘く、ねっとりと愛を刻み込むレン。ラピも「お前なんか大嫌いだ」と毒づきながらも、その熱に、初めてその身体を素直に開き、深く濃密に溺れていく。