あらすじ
――その針仕事は、国家を揺るがす地図となる。
“政略結婚”から始まる、愛と復讐のサスペンス・ロマンス。
大正、帝都。
陸軍の要職に就きながらも、誰にも心を開かず「氷の少佐」と恐れられる鬼島陸。
彼のもとに嫁いだ鞠子は、夫の冷たさに寂しさを感じながらも、刺繍の腕を磨き、静かに日々を過ごしていた。
ある日、彼女は陸が遺した亡き妹・千尋の図案に、軍の機密地図が隠されていることに気づいてしまう。
夫を陥れ、国を闇に葬ろうとする巨大な軍の陰謀。
その秘密は、陸だけでなく、鞠子の命さえも狙う危険な火種だった。
「私の針は、あなたの盾となる」
夫を救うため、鞠子は戦士となる。
刺繍の糸に機密を暗号化して縫い込み、華やかな夜会から極寒の北の戦場まで、二人は運命を切り開いていく。
氷のような夫の心を溶かすのは、妻の献身と、美しき針仕事。
そして、すべてを支配する「真の黒幕」への、華麗なる反撃の幕が上がる――。
これは、運命を縫い合わせる二人が、愛と真実を勝ち取るまでの物語。