あらすじ
高校2年生の美月には、誰にも言えない秘密がある。
それは雨の日だけ植物たちの声が聞こえること。
小学3年生の頃、台風の日に倒れそうになった植物を助けたことをきっかけに
不思議な力を授かったのだ。
そんな美月には想いを寄せる相手がいる。
同じクラスの凪くん。
穏やかで優しく、誰にでも親切な彼に惹かれているものの
関係が壊れてしまうのが怖くて自分の気持ちを伝えられずにいた。
ある雨の日、美月は学校近くの花壇で一輪の白い紫陽花の声を耳にする。
「好きなんやけどなあ…」
声の主は、隣に咲く青い紫陽花・アオに恋をしている白い紫陽花・シロだった。
翌日、シロから突然恋愛相談を持ちかけられた美月は、
戸惑いながらも少しずつシロの恋を応援するようになる。
しかしシロは誰にでも優しいアオが
自分を特別に思っているとは信じられず、長年想いを伝えられずにいた。
その姿は凪への恋に踏み出せない美月自身と重なっていた。
雨の日ごとに言葉を交わしながら、二人は少しずつ本音を打ち明けていく。
そんな中、大雨の日にシロは「来年もアオの隣で咲ける保証なんてない」と気づき
想いを伝えないまま終わることへの後悔を恐れるようになる。
シロは勇気を出し、アオへ想いを告げる。
その姿に背中を押された美月も、自分の本当の気持ちと向き合うことを決意する。
これは雨の日に人間の女の子と一輪の紫陽花が紡ぐ、
少し不思議で優しい恋の物語。