あらすじ

不祥事で社会的信用を失った生命保険会社。 数字だけを追い続けた果てに、一人の顧客を深く傷つけてしまった営業社員・羽川輝は、罪の意識を抱えながら会社に残り続けていた。 会社は「再生」を掲げる。 だが時が経つにつれ、組織は再び売上至上主義へと回帰していく。 そんな中、羽川の前に現れたのは、会社の理念を本気で信じる新人社員・青山美咲だった。 要領が悪い。 数字も上がらない。 それでも彼女は、お客様の話を聞き、草取りを手伝い、生活に寄り添い続ける。 その姿は、かつて羽川が失った「正しさ」そのものだった。 やがて二人は気づく。 問題は個人の資質ではない。 誰も見ていない場所で行われる営業そのものに、歪みが潜んでいるのだと。 組織に従うか。 信じる道を貫くか。 追い詰められた二人に残された時間は、わずか三十日。 これは、巨大な組織に立ち向かった英雄の物語ではない。 どこにでもいる二人の営業社員が、「見て見ぬふり」をやめるまでの物語だ。 その声は小さい。 けれど確かに、未来へ届く種になる。

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エブリスタ2026/06/23
  • 現在の作品「わかれみち」─紡ぐ声─