あらすじ
## あらすじ
イレイナ・ハングレイスには、昔から神の声だけは聞こえていた。
ただし、信仰心はない。
祈る気もない。
神への態度も最悪だった。
路地裏でチンピラを締め上げ、神に誓ったかどうかをその場で確認する日々。そんな彼女の耳に、ある噂が入る。
白い聖櫃から神託を降ろし、逆らう者を「神敵」として裁く男。
神の御口を名乗るアーネスト・ヴァルホート。
だが、本物の神は言う。
そんな声は出していない、と。
神の名を騙り、村から種を奪い、井戸を封じ、領民に祈れと告げる男を前に、イレイナは静かに銀貨を握り潰す。
「神の声が聞こえるんだって?」
祈りはしない。
赦しもしない。
これは、後に聖女と呼ばれる女が、まだ白い布を被る前の話。
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主はお赦しになりますが、私は赦しません ――祈るだけでよいと言われた聖女は、弱き者を食い物にした悪徳司祭の懺悔を聞きに行く
の前日譚です