あらすじ
「君は強い女だから、わかってくれるよね?」
これは、私の婚約者リュシアン様の口癖だ。
今日で七十一回目。私はしっかり数えている。
ヴァレンタイン侯爵令嬢アニエス。「強い女」「自立してる」と評される私には、
リュシアン様という婚約者がいた。
だが彼は、病弱な幼馴染セリーヌが体調を崩すたび、
私との約束を「君は強い女だから」と反故にしてきた。
誕生日も、婚約記念日も、観劇の夜も――全部で七十一回。
そして七十二回目の夜会前夜。
彼はまた、申し訳なさそうに微笑んでこう言った。
「君は強い女だから、後でいいよね?」
ええ、もちろんですわ。だって私、強い女ですから。
――ただその前に、この婚約。今この場で、即断で解消させていただきますわね。
扇をぱちんと閉じて、指輪をテーブルに置く。
強い女が選んだのは、貴方を切ること。
私の強さは、これからは、私のためだけに使いますの。
※スカッと爽快、自業自得型ざまぁ。
※元婚約者と悪女は自滅、ヒロインは新天地で対等な辺境伯と新生活ハッピーエンドです。