あらすじ
夜。しつこくインターホンを鳴らされ続け、おれは半ば投げやりな気分でドアを開けた。
すると思わず「えっ」と声を漏らした。そこに立っていたのは初老の女と数名の男たち。全員が、おれの顔を見た瞬間、目を見開いた。顔を綻ばせる者、目に涙を浮かべる者、口元を手で覆う者――その反応はまるで有名人に会ったファンのようだった。いずれも瞳を潤ませ、感極まったように「ほあ」と息を呑んだ。
「ようやく……ようやくお会いできましたね、神様……」
「神様……? え、あの、ちょ、ちょ……」
女が一歩前に踏み出し、おれの手を両手で包み込むように掴んで、ぎゅっと握った。骨ばった細い指なのにやけに力が強かった。そしてそのまま押し込むようにして、ずかずかと部屋に上がり込んできた。
「あの……いったい何なんですか……」