あらすじ
辺境宙域を巡回する共和国宇宙軍の古い哨戒艦《カスミ》。
その副長、神谷レイ中尉は、軽口ばかり叩きながらも、民間人を見捨てられない軍人だった。
ある日、《カスミ》は民間貨物船《セレナ》から救難信号を受信する。
海賊船三隻に追われる《セレナ》を救うため、レイたちは損傷覚悟の救援戦闘へ突入する。
だが、海賊の狙いは貨物船そのものではなかった。
《セレナ》の第三貨物区画には、共和国辺境研究局が管理する謎の封印貨物が積まれていた。
その中にあったのは、黒く、底の見えない結晶――“黒い欠片”。
レイがそれに触れた瞬間、欠片は目覚める。
彼の意識は、星の光さえ沈む黒い海へと落ちていく。
そして、四年前に消失したはずの調査船《ルミナス》と護衛艦群が、宙域に帰還する。
味方なのか、敵なのか。
研究所は何を隠しているのか。
黒い欠片の向こう側で、何がこちらを見ているのか。
古い哨戒艦《カスミ》と、その乗組員たちは、やがて宇宙の深淵に触れていく。