あらすじ
神戸の夜。
偶然見つけた一冊のノート——
「願い事を書きましょう」 とだけ書かれた、真っ白なノート。
軽い気持ちで書かれた願いが、次々と現実になる。
雨が止み、世界情勢が動き、満塁ホームランが飛び、応募した当選通知まで届く。
だがその力には“条件”があった。
願いは一度だけ。
効果は約四時間。
しかも——最初に書いた一つだけが叶う。
春彦は、他人に書かせる形で少しずつ検証を重ね、
ノートの“本当のルール”を掴み始める。
そんな中、彼の心に強く残る存在がいた。
薬局で出会った薬剤師・彩子。
最初は最悪の印象だったはずなのに、
熱で弱った日に見せた彼女のささやかな優しさが、
春彦の胸に静かに入り込んでいく。
——仕返しなんて、もうどうでもいい。
気づけば、彩子のことばかり考えていた。
だが同時に、ノートに異変が起きる。
ページが減っている。
最初は30枚あったはずが、いつの間にか21枚に。
これは時間制限なのか。
代償なのか。
それとも——ノート自身の意思なのか。
「……時間がない。
絶対に外せない“たった一つの願い”を決めないと。」
恋か、欲か、復讐か、救いか。
そして、彩子との未来は“願い”で作るべきものなのか。
願いが叶うノートを手にした青年が、
恋と欲望と倫理の狭間で揺れながら、
人生を変える“たった一つ”を選ぶ物語。