あらすじ
社会人一年目の高嶺舞彩(たかねまい)は幼少の頃よりある悩みを抱えていた。人前で制服やスーツ、ドレスなどといったフォーマルウエアに身を包むことが嫌でしょうがなかったのだ。単純に恥ずかしいというのもあったがそれとは別にどんな時もありのままの自分でいたいと思っていた彼女。個性を大事にしていたかったのも相まってか多少わがままな性格であったとも言える。
子供時代は制服を着る必要のない学校をわざわざ選ばなければいけなかったし大人になってからもスーツ着用でない会社への就職を決めるしかなかった。それだけに留まらず入社式や結婚式、葬儀などといった人生の節目に行われる行事には必ずといっていいくらいフォーマルな衣装に身を包まなくてはならない機会が発生する。
ああ面倒くさい。誰があんな地味な服を着るか!
そう思っていた裏で密やかな憧れを感じていたのもまた事実であった。私には属する世界があり、そこでのアイデンティティというものがある。
スーツという鎧に身を包み、ビジネスレディとしてバリバリ働いていけることってすごく素敵でかつ魅力的じゃないか。大人はカッコいい!
そうした一方で発達障害という生まれつき持った脳機能の偏りが原因となる病気により、社会の中で生きることを困難としていたのもあった。誰にも理解してもらえない孤独や不安を抱えつつ、懸命に生き抜こうとしていた舞彩。
厳しい大人の世界でもがきながらも個性を武器に成長していく彼女に迫る物語。