あらすじ
午前零時を過ぎると、私は31歳になる。
毎年、私の誕生日に訪れる沖縄の静かな海。
そこで私は、東京で待つ優しい婚約者・漣(れん)を裏切り、2年前にすれ違いから連絡が途絶えてしまった忘れられない男・朱鷺(とき)と最悪な再会を果たしてしまう。
「ごめん、結婚するの」
泣きながら拒む私を、必死に抱きしめる朱鷺。
私たちは一度きりの別れの儀式として、背徳の肌を重ねた。
東京に戻れば、何食わぬ顔で完璧な婚約者のもとへ帰るはずだった。
しかし、運命の歯車は狂い出す。
多忙な漣が珍しく時間を空けてくれた誕生日の夜。デートの最中、彼のスマホに1本の電話が入る。
『弟が今からプレゼント届けに来るって』
目の前に現れた彼の最愛の弟。それは、私が今朝まであの海岸で抱きあった男だった。
出会うはずのなかった3人が交錯するとき、過去の凄惨な記憶の蓋が開き、切なすぎる真実が暴かれ始める。
倫理が壊れた男と女の、あまりにも綺麗な裏切りの結末とは。