あらすじ

清河鈴音(きよかわ すずね)は、現代書道界の至宝と呼ばれる天才書道家を父に持つ女子高生。 幼い頃から書道に打ち込み、周囲からも期待されてきた鈴音だったが、圧倒的な父の才能の前に絶望し、いつしか筆を握ると手が震える「イップス」に陥ってしまう。 書道から逃げ出し、空虚な日々を送っていたある日。鈴音は、ふと立ち寄った路地裏の胡散臭い骨董店で、金色の文字が装飾された古い「筆」を購入する。 なんとその筆には、書の道に人生を捧げた「三人の幽霊」――豪快な鉄舟、自由奔放な芳乃、静寂を重んじる静山――が宿っていた! 「震えるなら、その震えごと叩きつけい!」 実体がないのをいいことに四六時中つきまとってくる、お節介で騒がしい幽霊たち。 しかし、彼らの型破りだけれど温かい導きによって、鈴音は少しずつ、自分を縛り付けていた恐怖のノイズと向き合い始める。 天才の父が描くような、空気を切り裂く『稲妻』にはなれない。 それでも、すべての感情や歴史を呑み込んだ、私だけの『音』があるはずだから――。 これは、不器用な少女が自分だけの文字を取り戻し、未来という白紙に向かって歩み出すまでの、青春と再生の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/06/22
  • 現在の作品千年の筆 ~天才書道家の娘が、三人の幽霊と自分だけの「音」を響かせるまで~