あらすじ
音のない世界を生きる聾者の少女・家鋪京子。
感情を言葉にすることが苦手な、コミュ障で最強の女番長・舘翔子。
二人は幼なじみであり、互いを誰よりも深く理解する「魂の双子」だった。
かつて大阪の街を揺るがした大きな戦いの中で、二人は言葉ではなく、涙と体温だけで永遠の想いを確かめ合った。
それから二年。
再び平和を取り戻した大阪で、高校三年生になった京子と翔子は、淀川の河川敷にある古民家で、静かで甘い時間を過ごしていた。
けれど、翔子はなぜか京子に触れることを避けてしまう。
手を繋ごうとすると、距離を取る。
肩を寄せようとすると、逃げてしまう。
愛されていることは分かっている。
それでも、京子の胸には小さな寂しさが積もっていく。
声で語れない少女と、心を言葉にできない少女。
不器用な二人は、手話、ノート、視線、体温、そして一緒に食べるご飯を通して、少しずつ距離を縮めていく。
これは、触れることさえ奇跡だった二人が、愛をゆっくり育てる物語。
音がなくても。
言葉が足りなくても。
あなたの温もりだけは、ちゃんと伝わる。