あらすじ
幼い頃から母子家庭で育った青年・悠真。
母は父親について何も語らず、悠真もまた「父のいない人生」を当たり前のものとして受け入れて生きてきた。
しかし二十歳を迎えたある日、母の遺品から一通の古い手紙を見つける。
そこに記されていたのは、実の父親が重大な罪を犯し、長年刑務所で服役しているという衝撃の事実だった。
なぜ母は真実を隠し続けたのか。
なぜ父は罪を犯したのか。
答えを求めた悠真は、自ら刑務官になることを決意する。
全国の刑務所を転勤しながら働き続けること五年。
ついに悠真は、一人の受刑者として生きる実の父と再会を果たす。
二十五年ぶりの親子の対面。
しかし父は、自分が息子に会う資格などないと目を伏せる。
そんな父に、悠真は静かに語りかける。
「母さんが父さんのことを隠していたのは、自分たちの身を守るためだけじゃない。」
「父さん自身が過去と向き合い、本当に変わることを誰よりも願っていたからなんだ。」
罪は消えない。
失われた時間も戻らない。
それでも人は変わることができるのか。
そして親子は、再び家族になれるのか。
二十五年の歳月を超えて描かれる、赦しと再生の物語。