あらすじ
「今日この場をもって、君との婚約を破棄する」――三年間、ずっとこの言葉を待っていました。
公爵令息アルベルト様から婚約破棄を言い渡された私、リリアーナ・フォン・グリモワール。「地味で陰気な女」と蔑まれ、聖女に婚約者を奪われた哀れな令嬢……そう思われているようですが。
実は私、この古城の図書室で「世界を滅ぼしうる七つの禁書」の封印を守る一族の末裔なのです。三年間、毎夜欠かさず血の儀式を行い、誰にも知られず世界の危機を防いできました。
アルベルト様の無礼は四十九回まで数えて許しましたが、五十回目はございません。
さようなら、私を軽んじた公爵家の皆様。私がいなくなった後の図書室がどうなるか……どうぞお楽しみに。封印が緩み、禁書から瘴気が漏れ出す頃には、きっと私の価値を思い知ることでしょう。
でもご安心を。私はもう振り返りません。なぜなら――私の価値を知る騎士様が、すでにお迎えに来てくださっているのですから。
これは、静かに復讐を果たす地味な図書館司書令嬢が、真の理解者と出会い幸せを掴むまでの物語。