あらすじ
孤独死した二十二歳の青年が目覚めると、灰銀色の渡り鳥に転生していた。
背中には百八枚の光る羽根——届け先を失った「迷子の手紙」が宿っている。
傲慢な精霊猫シャルルに告げられたのは、残酷なルール。
『大渡りまでに全ての手紙を届けろ。届けられなければ、お前の魂は消滅する』
十年前に死んだ少年から祖母への遺書。
届くはずのなかった恋文。
言葉にできなかった「ごめんなさい」。
翼に宿るのは、届かなかった想いばかり。
生前、誰にも届かない手紙を残して死んだ僕が、今度は届ける側になる。
届ければ救われるのか? 届けなければ終わるのか?
——そんなの、届けてみなければわからない。
これは郵便配達じゃない。
魂の、救済飛行だ。
孤独だった青年が渡り鳥となり、世界中の「届かなかった想い」を届けて回る、切なくも温かい空の旅が始まる。