あらすじ
「アリシア、君との婚約を破棄する」——月光煌めく舞踏会で、王太子エドワードは高らかに宣言した。隣には涙を浮かべる聖女気取りの男爵令嬢。貴族たちの嘲笑。全てが私を断罪するために用意された舞台。けれど、ごめんなさい。私、泣いて縋りつくような安い女ではございませんの。前世はブラック企業の経理部で鍛えられた元社畜。この三年間、愚かな婚約者と腹黒ヒロインの茶番に付き合いながら、私は着々と準備を進めてきた。新農法の導入、南方貿易路の開拓、王家への莫大な支援金——王国経済の三割を支えていたのが誰なのか、殿下はご存知なかったようですわね。婚約破棄? 謹んでお受けいたしますとも。そして、全ての支援を停止させていただきます。どうぞご自由に崩壊なさいませ。隣国の公子ルシアン様という真の理解者を得て、悪役令嬢は今、新たな人生へと歩み出す。これは復讐ではない。これは、自由への解放だ。