あらすじ

かつて王国騎士団直属歌術隊に所属していた歌魔術師《うたまじゅつし》リシアは、戦争が終わった今も、自分の歌を信じきれずにいた。 彼女の歌は、多くの騎士たちを励まし、絶望の中で立ち上がる力を与えた。 しかし同時に、その歌に背中を押されて戦場へ向かい、帰らなかった者たちもいる。 幼なじみのアイシャも、その一人だった。 歌は、本当に人を救えるのだろうか。 答えを探すため、リシアは銀色のリス・シルと共に旅に出る。 彼女には、人の本音や後悔、願いを“心歌”として聞き取り、その想いを歌詞へ変える特別な力があった。 夢を諦めた鍛冶師。 声を失った少女。 希望を背負わされた勇者。 歌を憎む女。 人間と共に生きたい魔族。 各地で出会う人々の痛みに触れ、リシアは歌術師《かじゅつし》として事件の核心へ踏み込んでいく。 けれど、歌は万能ではない。 時に届かず、時に拒まれ、時に善意が誰かを追い詰めることもある。 それでもリシアは、人の想いを聞き続ける。 歌う勇気と、歌わない勇気を学びながら。 やがて彼女が旅の中で集める歌詞は、かつて世界から失われた伝説の歌《星詠みの歌》へと繋がっていく。 そして、歌を封じようとする黒譜の民、現代の勇者レオン、死んだはずの幼なじみアイシャの影が、リシアの旅に深く関わり始める。 これは、世界を剣で救う物語ではない。 誰かの心に残った小さな想いを、歌として未来へ渡す物語。 そして、一人の歌魔術師が「歌は人を救えるのか」という問いに向き合い続ける旅の物語である。

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小説を読もう2026/06/22
  • 現在の作品人の想いを歌にする歌魔術師は、失われた星詠みの歌を探している