あらすじ
『底辺から始める、与えるだけの無双伝 ~知らないうちに守られていました~』
「鑑定不能」――要するに、お前は無能だ。そう言われて、はや十数年。
ランク外の荷運びアルク、二十八歳。仕事は荷物運び。特技は、人に親切にすること。以上。
そんな冴えない彼には、自覚していない問題が一つあった。
――やたらと、無傷で済む。
崖から落ちても、魔物に襲われても、なぜかかすり傷一つない。「運がいいなあ」で済ませてきたが、実はそれ、ぜんぶ守ってもらっていた。アルクの肩には、本人も気づかぬうちに、もふもふで可愛い守り手たちが住んでいたのである。回復担当のおっとり小鳥に、関西弁でうるさいドラゴン。彼らが陰で、必死にご主人さまを守っていた。……アルクは、まったく気づいていない。
そして、もう一つ。アルクの「人に与えるだけ」のお人好しっぷりは――実は、世界を救えるレベルのチート能力だった。
与えれば、返ってくる。仲間を強化すれば、その何倍もの力で守られる。気づけば、銀髪の女騎士に惚れられ、明るい召喚師娘に懐かれ、毒舌魔術師に振り回され、かわいいもの好きの厳つい傭兵に慕われ――。本人は「なんでみんな構ってくれるんだ?」と首をかしげるばかり。鈍感、ここに極まれり。
賑やかな食卓、湯気の立つごちそう、しょっちゅう繰り広げられるドタバタ。そんな愉快な旅路の一方で――二百年を生きる帝国が、なぜか本気でアルクを消しにかかる。
たかが荷運びの、何がそんなに怖いのか?
その答えが明かされるころには、アルクはもう、後戻りできないほど強く、そして大切な仲間に囲まれている。心を引き裂く別れも、ひっくり返す大逆転も、思わず涙がこぼれる秘密も――全部、待っている。
与えるだけで、最強。守られていたと知らずに、世界を救う。
もふもふと、わちゃわちゃと、胸熱と。
さあ、ページをめくれば、あなたもこの仲間の一員だ。