あらすじ
「暖炉は初めてね」
悪役令嬢エルヴィラ・ローデンベルクは、物語が始まる前に二十一回死んでいた。
紅茶を避ければ薬湯が来る。薬湯を捨てれば階段が待つ。階段を使わなければ馬車が壊れ、馬車に乗らなければ暖炉が爆ぜる。
頼りの女神は「神様制度上、犯人は教えられないんですぅ」と役に立たない。
ならば、女神様の知らない札を引くしかない。
悪魔召喚に失敗し、婚約者の第二王子アレクシスに異変を知られた翌朝。
エルヴィラは毒入りの薬湯、仕掛けられた暖炉、壊された馬車、滑る階段――すべての不運を扇で打ち返すことにした。
これは、何度も殺された悪役令嬢が、使えない女神様と犯人たちをまとめて制裁し、安全な紅茶を取り戻す話。