あらすじ
冤罪で婚約者である王太子に処刑されそうになった公爵令嬢フィアナ。絶体絶命のその時、彼女はとっさに“記憶喪失”を装った。
「わ、わたしは……誰ですか? ここはどこですか?」
王太子は興味を失い、彼女を最も辺境の不毛の地へと追放した。誰もが「数週間で死ぬだろう」と笑った。
しかしフィアナは違った。彼女は前世の記憶を持っていた――カフェ店長として、珈琲豆と発酵パンを極めた女だったのだ。廃墟同然の町に小さな焙煎所を開き、香りで人々を呼び寄せる。そんな彼女の前に、一人の大男が現れる。北の戦争公爵、ラインハルト。彼はただの軍人ではない。彼はフィアナの“計算する目”を見逃さなかった。「その記憶喪失、なかなか手が込んでるな。取引だ。お前の腕前を認める代わりに、利益の3割を寄越せ」――こうして始まる、最強の詐欺師令嬢と最恐の投資家公爵の、すれ違いながらも最強のタッグ。果たしてフィアナは、この荒れ果てた地で「本当の幸せ」を見つけられるのか?