あらすじ
宮本大輝、二十四歳。ありふれた会社員の唯一の生きがいは、二つ上の先輩・一ノ瀬紗良の笑顔だった。
告白して振られた翌日、紗良は世界から消えた。オフィスの席も、人事データも、同僚の記憶からも──最初からいなかったように。
手元に残ったのは、ミントタブレットの空き殻と、シルバーピアスだけ。
紗良の手がかりを追う中で出会ったのは、泥だらけの黒ジャージを纏い、裏社会に追われる少女・凛。彼女が命を賭けて奪い合う「魔石」は、大輝にとってはガキの頃から裏山で拾い集めた、ただの綺麗なゴミだった。
一個百万。実家の引き出しには、何百個。
「私を匿いなさい。あんたの石を安全に捌けるのは、私しかいないわ」
消えた先輩の謎。魔法が使えない身体の秘密。そして、価値のないはずの石ころが引き寄せる、巨大な闇──。
ありふれた日常の切れ端が、少女の世界を変えていく。