あらすじ

犬山市の路地裏に、籠目屋商店という店がある。 古本と酒しか置いていない、小さな店だ。 そこで藤原六郎は、宇喜田百合という女に出会う。 百合のもとには、怪異にまつわる依頼が舞い込む。 まだ寒さの残る朝に、どこからともなく聞こえる鶯の声。 雨のあと、土の下から滲み出す、人の憎しみ。 啓蟄のころ、閉じていたものが目を覚ます家。 春風にまぎれて帰ってくる、死んだはずの名。 芽吹きとともに、鬼へ近づいていく人間。 六郎は百合に連れられ、様々な所へ向かう。 そこで目にするのは、怪異だけではない。 未練、後悔、罪、祈り。 そして、春の光の下で、人が人でなくなる瞬間。 冬が終われば、すべてが終わるわけではない。 芽吹くものが、必ずしも美しいとは限らない。 現代を舞台にした、七十二候の怪異譚。 籠目屋商店怪異録、春ノ巻。

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小説を読もう2026/06/22
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