あらすじ
王太子妃候補として十年間、王宮を支えてきた公爵令嬢アリティア。
だが夜会の席で、王太子ヴィクトールは男爵令嬢との「真実の愛」を選び、アリティアとの婚約破棄を宣言する。
泣き崩れると思われた彼女は、静かに告げた。
「では、婚約解消に伴う精算を始めさせていただきます」
外交資料、席順表、要人の禁忌、王太子の失言対策。
十年かけて築いた成果は、すべて回収させていただきます。
それを失って初めて、王宮は知ることになる。
彼女がただ王太子の隣に立っていた令嬢ではなく、この国の外交と社交を陰で支えていた存在だったのだと。
そして、彼女の価値を見ていた者は、王宮の外にもいた。