あらすじ
華やかな芸能界には、興味がなかった。
時代劇や重厚な作品を愛する小道具スタッフ・権田原ことりは、上司の指示で人気俳優・藍沢類が主演を務める映画班へ配属される。
顔が良くて、愛想も良くて、完璧。
ーー表向きは。
けれど彼は、酒が入ると別人のように崩れる男だった。
撮影終わりの夜。
誰もいないスタジオ裏で、泥酔した藍沢を拾ってしまったことから、ことりの日常は少しずつ狂い始める。
「……あんた、俺のこと嫌いでしょ」
そう言って笑うくせに、
彼は時々、どうしようもなく寂しそうな目をした。
嘘ばかりの芸能界で、酔った夜だけ本音を零す彼。
人気俳優の“素”なんて、知りたくなかった。
――なのに私は、酔った夜の彼を、放っておけなかった。
*表紙はAIで生成した画像を使用しています。
*本作はフィクションであり、実在の人物・団体とは関係ありません。