あらすじ
──ガタガタと、震えるくらいに寒い冬の夜。
学校終わりに分厚いジャンパーを着こんで、友人と一緒に自転車で公園に漕ぎ着けてから、チャイムの音が鳴ってどのくらい時間が経っただろう。
俺も友人も、特に何か嫌なことがあったわけじゃなかったけど、何となく家に帰りたくなくて、ずっと時計の見えないあたりのベンチに座ってくだらない話していた。
──学校の話、週刊少年漫画の話、やる気なんてさらさらない宿題の話、それを咎める面倒くさい親の話──
空の色が"青"から"茜"に代わるのは気にならなかったが、"濃紺"から"黒"に代わっていくのを気にしないのはちょっと無理だった。
今から帰ったらきっと、親に散々叱られるだろう。
そろそろ帰ろう。と友人に促して自転車にまたがって──ふと、空に浮かんだ星が目を引いた。
……その星は、街灯みたいに明るい癖に、月よりもよっぽど小さくて……
……人工衛星みたいに点滅しているわけでも、飛行機みたいに動いているわけでもない、妙に不思議な星だった。