あらすじ
ライン川のほとり、ローレライの岩を望む小さな村。
宿屋の娘エルザは、父や兄とともに川と共に生きてきた。急流を知り尽くした船頭たちの村で育った彼女にとって、ライン川は特別なものではなく、ただ毎日そこにある存在だった。
ある秋の日、宿に一人の旅人が訪れる。
カスパルと名乗るその男は、ライン川を音楽にするために川沿いを旅する作曲家だった。
伝説のローレライ、霧に包まれる朝の川、嵐の夜の激流――。
川のことを語るエルザと、その言葉を音楽へと変えていくカスパル。二人は共にライン川を見つめながら、少しずつ互いを知っていく。
これは、ローレライの岩のほとりで生まれた、小さな出会いの物語。
静かに流れる川のような、優しく穏やかな恋愛譚。