あらすじ

難関国立大学法学部三年の陽菜は、明るく面倒見がよく、誰かのために場を整えるのが得意な学生だった。 親友を支え、空気を読み、困った時には最初に声を出す。 それが陽菜の「通常営業」だった。 そんなある日、民法総則の演習で、静かな同級生・椎名澪に言われる。 「それ、本当に通常営業?」 ショートカットに眼鏡、中性的で近寄りがたい雰囲気の澪。 けれど彼女は、陽菜の軽口の奥にある揺らぎを、誰よりも静かに拾ってくれる人だった。 水曜の工房。 隣席契約。 星と月のしおり。 名前の試験運用。 そして、しまわないキス。 法学部らしい理屈っぽい言葉遊びを重ねながら、陽菜と澪は少しずつ距離を縮めていく。 これは、誰かの戻る場所であり続けた彼女が、自分自身の帰る場所を見つけるまでの物語。 その席は、いつの間にか帰る場所になっていた。

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カクヨム
カクヨム2026/06/21
  • 現在の作品法学部的恋愛契約 —彼女が彼女と結ばれるまで—