あらすじ
――この世には、あそびのかみさまがいる。
子どもの頃から、朝倉紬には、ときどき“普通ではないもの”が見えていた。
日常にまぎれこむ異形。人と人のあいだに張り巡らされた、目に見えないつながり。
その話をしたとき、祖母は紬にこう告げた。
「この世には、あそびのかみさまがいるのよ」
高校二年生になった今も、紬はおとなしく、目立たない少女のままだ。
けれど人を見捨てられない優しさと、誰にも見えない“糸”を感じ取る力が、彼女を神々の世界へ引き寄せていく。
家族で訪れた山で迷子になったあの日。
妹を背負ってさまよう紬の前に現れたのは、糸でできた髪と、透き通る瞳を持つ存在だった。
その出会いをきっかけに、紬の日常は少しずつ壊れ始める。
花いちもんめ、かくれんぼ、あやとり――
遊びの名を持つ神々は、人と世界を静かに侵食していく。
これは、世界の裏側に触れてしまった少女と、
“あそびのかみさま”たちの物語の始まり。
神々の陣取りゲームが始まる前夜。
すべては、この少女の観測から始まる。