あらすじ
「未来も視えない女に、もう用はない」
大国アルデンの聖女として持ち上げられていたミレイユは、ある日、予知の力を失った。
とたんに婚約者の公子から、役立たずと嘲笑われ、婚約を破棄される。
――けれど、それで終わりではなかった。
国の秘密を知りすぎたミレイユは、「使えない上に危険」として、闇に葬られかけていたのだ。
そんな彼女を救い出したのは、貧しい村にいた頃の幼なじみ・アーサー。今は辺境の小国で、軍を束ねる将になっていた。
「お前は、もう何も視えなくていい。役に立たなくていい。ただ、ここで、普通に暮らせばいい」
力で価値を測られ続けたミレイユは、その言葉に、凍りついた心が溶けていくのを感じる。
やがて――人を、この国を、アーサーを、心から守りたいと願ったとき。失われたはずの予知が、蘇った。
力を独り占めにせず、分け合い、辺境を豊かにしていくミレイユ。けれど、その噂を聞きつけた大国が、彼女を捨てた公子を先頭に、攻め込んでくる。
これは、力で値踏みされた令嬢が、ありのままの自分を見てくれる人と、力を分け合える居場所を取り戻す物語。
※一話完結の短編です。ハッピーエンド。