あらすじ
銃声とともに命を落とした男は、完全な闇の中で何者かに「見つけた」と告げられる。
魂を引き裂かれるような苦痛の果て、彼が目覚めたのは地獄の最下層――第九圏の石棺の中だった。
名前も記憶も失い、鏡に映る自分の姿すら分からない。
白い肌、長い銀髪、暗い赤の瞳。
もはや人間とは言いがたい身体で目覚めた彼の前に現れたのは、知識を司る悪魔アガレスだった。
アガレスは彼を「王様」と呼ぶ。
だが、彼に分かるのはただ一つ。
この凍りついた地獄は、あまりにも住みにくい。
「こんなところ、住めるか。まず生活インフラが死んでる」
名前なき男は、地獄の底で最初の一歩を踏み出す。
これは、欠けた魂を持つ王が、第九圏を“住める国”へと変えていく物語。