あらすじ
病室のベッドで目を覚ました私、長谷川雫は、過去一年の記憶を完全に失っていた。
医師から告げられたのは、「自宅に押し入った強盗に首を絞められ、低酸素脳症に陥った」という恐ろしい事実。
しかし、恐怖と混乱で震える私の傍らには、私を心から愛し、ボロボロになって涙を流す恋人・蓮(れん)の姿があった。
「もう二度とあんな思いはさせない。俺が一生、君を守るから」
退院後、セキュリティを固めた部屋で、過保護なまでの彼との甘く幸せな同棲生活が始まった。
記憶を失っても変わらない彼の深い愛情に触れ、私はもう一度、彼に強く恋に落ちていく。
しかし、穏やかで完璧な日常の中で、少しずつ不気味な「違和感」が顔を出し始める。
謎の激痛と強力な鎮痛剤。
決して鏡を見せようとしない彼。
そして、偶然見つけてしまった、私自身の筆跡で綴られた『空白の一年間』の日記帳と、一枚の診断書。
そこに記されていたのは、目を疑うような絶望的な真実だった。
強盗なんて、どこにもいなかった。
あの日、私の首に手をかけ、私を殺そうとした犯人の正体は――他でもない、最愛の蓮だったのだ。
なぜ彼は私を殺そうとしたのか?
なぜ彼は今、これほどまでに私を溺愛し、優しい「嘘」をつき続けているのか?
すべての伏線が繋がり真実を知った時、残酷で悲しい嘘の裏に隠された、究極の愛の形が明らかになる。