あらすじ
歯車と、線香の匂い。文明開化の帝都には、蒸気で動く自律人形(オートマタ)が溢れていた。
御影灯真、十八歳。安倍晴明を祖とする傀儡師の末裔にして、人形に"付喪神"の魂を宿すことのできる、ただ一人の青年。彼の手がけた人形は、息をするように生きていると噂される。そしてその唯一無二の才が、灯真を災いへと引きずり込む。国家の影で蠢く者たちが、彼の手で"生きた人形"を量産させようと、夜更けの工房に使者を遣わした。
「僕が作るのは、道具じゃない」——拒んだ少年に、静かに、牙が剝かれる。