あらすじ

刑事兼検事・神崎恒一は、自閉スペクトラム症(ASD)を持ち、他者の感情を読み取ることが苦手だった。しかし彼には、誰も気づかない「説明の欠落」を見抜く能力があった。 連続自殺事件の捜査に参加した神崎は、死の直前に被害者たちが同じ行政窓口を訪れていた事実に気づく。原因は犯罪ではなく、制度の説明不足だった。神崎はベテラン刑事・佐倉一朗と組み、やがて“異端チーム”と呼ばれる存在になる。 障害年金不支給問題、検察内部の証拠隠滅、政治家による制度操作。捜査を進めるほど、事件は個人の犯罪ではなく社会構造そのものへと繋がっていく。正しすぎる神崎は組織から排除されるが、それでも沈黙を見逃さない。 やがて彼らは国家権力の核心へ辿り着く。そして最後の事件は、首相官邸で起きた立て籠もりだった。犯人は現役警察官。動機は、政治家によって握り潰された過去の不正だった。 正義ではなく「説明」を武器に、神崎は国家最大の沈黙と対峙する。 これは、犯人を追う物語ではない。 声にならなかった理由を拾い上げる者たちの物語である。

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カクヨム
カクヨム2026/06/21
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