あらすじ
介護は、優しさだけで成り立つ仕事ではない。
老人保健施設では、多数の利用者を限られた職員で見ながら、排泄介助、汚染対応、更衣、記録、入浴、レクリエーション、事故予防、夜勤、体調管理まで同時にこなしていく。
放尿、放便、弄便、頻回な更衣、センサー対応、夜間巡回、事故報告、ヒヤリハット、電子カルテ記録。
現場では、対応してもまた崩れ、片づけてもまた汚れ、気づかなければ事故につながる状況が毎日続く。
さらに、職員ごとの技術差、気づく力の差、経営や管理職とのズレ、新人教育の徒労感、人員不足が現場の負担を重くしていく。
介護職に必要なのは、ただの優しさではない。
相手の理由を尊重する力、無闇に怒らない精神、良し悪しを判断する力、目端の利く観察力、効率を考える力である。
介護を本当に支えるために必要なのは、感謝や精神論ではない。
割り切りと補充人員、そして現場が続けられる構造である。
人を支える仕事を、人の消耗で支えてはいけない。