あらすじ

むせ返るような安葉巻の煙と、密造ウイスキーの甘ったるい匂い。 のり弁を食べていたはずのしがない現代のDTMトラックメイカーは、気づけば1920年、冬のニューヨークで目を覚ましていた。 手元にあるのは47ドルの全財産と、調律の狂った安物のピアノ。そして「イタリア系移民の無名作曲家」という、社会の底辺の肩書きだけだ。 強欲な出版社にわずかな小銭で曲を買い叩かれ、裏通りには移民への冷たい視線とマフィアの影が蠢く。だが、彼には誰にも奪えない武器があった。コード進行からアレンジまで、100年先を行く現代の音楽理論と、これから世界を呑み込むポップカルチャーの記憶だ。 やがて時代は、狂騒と退廃の「ジャズエイジ」へと突入していく。 裏酒場の薄暗いステージから、摩天楼の頂点へ。 未来の旋律を指先に宿した男が、たった一つの才能を武器に1920年代のアメリカを駆け上がる。

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カクヨム
カクヨム2026/06/21
  • 現在の作品五線譜と密造酒