あらすじ

これは、僕がたくさんの人を殺す話だ。 刃物も、毒も使わない。僕はただ、やさしくする。微笑んで、隣に座って、名前を呼ぶ。それだけで、その人は、数週間後に死ぬ。しかも、いちばん僕を好きでいてくれた人ほど、いちばん早く、いちばん確実に。 四年間、誰にも見られず、透明に生きてきた大学生・槙野悠。ある夜、彼の部屋の隅に、白い「天使」が現れる。子どもの頃の、たったひとりの友達。しろの顔をして。 その囁きに従うほど、世界は槙野にやさしくなっていった。人が振り向く。名前を呼ばれる。生まれてはじめて、しあわせという言葉が、自分のためにある気がした。 けれど、やさしさには、いつも値段がついていた。そして、彼が払う値段は、彼ひとりのものでは、なかった——。 孤独につけ込む"やさしい嘘"。 愛した人ほど、確実に喪っていく絶望。 にこやかな加害者の顔をして、内側で叫び続ける、被害者の物語。 ※身体損壊描写・心理的に重い展開を含みます。

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カクヨム
カクヨム2026/06/21
  • 現在の作品多幸性空洞症 ―善き羊飼い―