あらすじ
「消えてしまいたい」
そう思った高校二年のアサヒは、衝動のまま家を飛び出し、山形県の月山へ向かった。
死者の魂が還る山。
現実と虚構の境界が曖昧になる霧の山。
帰りの当てもないまま登山道を進むアサヒは、そこでレイミラと名乗る少女に出会う。
レモン色の上着。
ビビッドピンクのシェル。
霧の中でも不思議なほど鮮やかなその少女は、当たり前のようにアサヒの手を取り、山頂へ導いていく。
なぜ月山に来たのか。
なぜ消えたいと思ったのか。
死者の山を歩く一夜の旅の果てに、アサヒが見つけるものとは――。
魂の還る山で紡がれる、ひとりの少女の再生の物語。