あらすじ

清末の河南、宝豊。獄を出た一人の鉄打ちが、川跡のそばに小さな炉を開いた。鎌を打ち、塩を分け、飢えた者を温めるその火を、村人は「官大哥(かんたいこ)」と呼んだ。
 やがて雹が麦を奪い、苛政が村を焼く。冷えて固まった無数の鉄が、白朗(はくろう)の炉に集い、赤らみ、刃となった。打富済貧の旗のもと、火は三千、二万へと燃え広がり、五省を駆け、近二十万の北洋軍を翻弄する。だが――据える炉を、ついに得られぬまま。
 義憤から発した火は、どこへ向かうのか。慕われながら、一つの理念に統べきれなかった指導者の、孤独な白熱と燠火を描く歴史長篇。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
アルファポリス
アルファポリス2026/06/05
  • 現在の作品【中華民国人物伝】002白朗