あらすじ
ルテニア王国の第三王子として生まれた彼は、魔法の才能も軍事的な実力もなく、宮廷では「無能」の烙印を押され、冷遇されてきた。そして王家は、火種を消すための駒として、彼を隣国へと追放する。
彼が命じられたのは、大陸で最も恐れられる女性――「血塗られた公爵夫人」こと、セラフィナ・フォン・ナハトヴァルトとの政略結婚だった。敵を容赦なく排除する、冷酷非道な彼女。彼が待ち受けていたのは、死の恐怖に支配される地獄のような日々……はずだった。
しかし、辿り着いた公爵家で彼を待っていたのは、静寂と規律、そして彼にだけ向けられる不思議なほどの優しさだった。
周囲は彼が残酷な公爵夫人に食い殺されると噂するが、王子は次第に気づき始める。彼女はただの暴君ではなく、ある壮大な秘密を守るために、「怪物」を演じ続けているのだと。そして、なぜか彼女は彼にだけ、その仮面を外して素顔を見せるようになり――。
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