あらすじ
「かわいいんだから、もっとアイドルみたいな歌を歌えばいいのに」
中学最後のカラオケで、井端プラシネは、父から受け継いだ大切なブルースを歌った。
けれど返ってきたのは、戸惑いと沈黙、そしてそんな言葉。
それ以来、人前で歌えなくなったプラシネ。
春。G県T市の和田多中第三高校(わだたなかだいさんこうこう)へ入学したプラシネは、親友のミクとともに『ルーツミュージック研究会』を立ち上げる。胸に抱くのは、父が弾いていた傷だらけのドブロギター。幼い日に出会った『Let the Good Times Roll』の輝き。そして、父の歌の続きを自分が歌うという、ひそかな約束。
「そんな古臭い音楽よりも、もっと輝ける場所がある」
そう告げられたとき、あの日の記憶がまた、胸に棘のように刺さる。
怖がりで、泣き虫で、それでも自分の『好き』だけは手放せない少女。
クールな親友ミク、愉快なユイ、居場所を探すバナフシェ。少し変わった学校で出会う仲間たちとともに、プラシネはもう一度、自分の歌に向き合っていく。
どら焼きみたいに甘くて、ブルースみたいにほろ苦い。
少しおかしな、学園青春音楽物語。