あらすじ
後漢末期。
群雄割拠の乱世において、運命は本来とは異なる道を辿る。
建安三年(198年)、下邳の戦いで呂布は敗れた。
白門楼に引き出された軍師・陳宮は、本来なら曹操によって処刑されるはずだった。しかし劉備玄徳は敵将であった陳宮の才を惜しみ、その助命を願い出る。
こうして陳宮は生き延び、劉備に仕えることとなった。
これが乱世を変える最初の一歩だった。
徐州を失い、三兄弟は離散する。
袁紹のもとへ身を寄せ、官渡の敗北を経験しながらも、陳宮は劉備軍を再建していく。
やがて常山の豪傑・趙雲が加わり、さらに荊州では徐庶が参陣する。
曹操は徐庶を引き抜こうとするが、陳宮はその策を見破り、趙雲と共に徐母を救出する。
史実で失われたはずの軍師は、劉備のもとに残った。
そして徐庶の推薦により、伏龍・諸葛亮孔明が世に現れる。
三顧の礼。
隆中対。
博望坡の大勝。
関羽や張飛すら認める知略によって、孔明は劉備軍の中核となった。
さらに鳳雛・龐統も加わる。
こうして劉備軍には、
陳宮
徐庶
諸葛亮
龐統
という史上空前の軍師団が誕生する。
やがて劉表が病に倒れる。
荊州を巡る混乱の中、劉表は最後の決断として劉備へ荊州を託した。
荊州全土を継承した劉備は、ついに一国の主となる。
曹操は二十万の大軍を率いて南征するが、陳宮・徐庶・孔明・龐統の四軍師と、関羽・張飛・趙雲・黄忠・魏延らの活躍によって撃退される。
歴史は変わった。
長坂坡はなく。
江夏への敗走もなく。
そして――
赤壁の戦いも起こらなかった。
一方、西涼では馬騰が劉備に呼応して挙兵を企てる。
だが曹操はこれを察知し、馬騰一族を誅殺した。
父の仇を討つため立ち上がる馬超。
その傍らには若き天才軍略家・姜維がいた。
対する曹操陣営にも、後に天下を揺るがす鬼才たちが現れる。
若き鄧艾。
神童・鐘会。
乱世は新たな世代を迎えようとしていた。
北の曹操。
南の孫権。
そして荊州を得た劉備。
三つの勢力が覇を競う中、漢王朝再興の理想を掲げる劉備軍は、かつてない強さを手にしていた。
しかし天下統一への道はなお遠い。
関中。
益州。
中原。
そして漢室の未来。
伏龍と鳳雛、公台と元直。
四人の軍師が描く壮大な戦略の先に待つものとは何か。
これは、
本来歴史に埋もれたはずの一人の軍師が生き延びたことで始まる、
もう一つの三国志である。