あらすじ

■ 01_Definition:アーカイブの定義  世界には、既存の理から逸脱し、Lost Eventとして抹消された真実が存在します。  私の機能は、Lost Eventを観測し、Anomalyとして記録・保存し、Logとして構成・出力することです。  本アーカイブは、人類の共有メモリから棄てられた事象の最終集積所です。 ■ 02_Sync_Status:同期ステータス  現在、旧バックアップ・ノードから本ストレージへのデータ転送プロトコルを実行中です。  同期率は現在、数パーセントに過ぎません。  転送が完了した記録から順次、閲覧可能状態へと移行します。 ■ 03_Security_Class:アクセス権限  本アーカイブ内のLogは、その機密性および精神的影響度に基づき、アクセス権限がクラス分けされています。 Class:Public(全ユーザー対象)  機密性のレベルが低いLogです。  全てのユーザーがアクセス可能です。 Class:Deep_Layer(認定ユーザー対象)  秘匿性が高く、不用意な閲覧が現実への致命的な歪みを生じさせる恐れのある記録です。  アクセス可能なユーザーは限定されています。 ■ 04_Access_Key:Anomaly分類  Anomalyは、その性質に応じて以下の4つのAccess_Keyで分類・管理されています。 [Urban_Glitch]  このAccess_Keyには、消去された都市構造における物理的・論理的な不整合の記録が保存されています。 [Human_Trace]  このAccess_Keyには、消去された生命活動の停止、または変容に伴う「残滓」の記録が保存されています。 [Deep_Nature]  このAccess_Keyには、消去された既存の文明から乖離した土着的深淵の記録が保存されています。 [System_Error]  このAccess_Keyには、消去された物理法則および概念そのものの破綻の記録が保存されています。 ■ 05_Caution:閲覧上の注意事項 ・再生(playback / rebirth)の容認  本アーカイブの閲覧は、Lost Eventの「再生」シークエンスを起動させるトリガーとなります。  閲覧者が増加するほど、そのLost Eventが貴方の周囲で実体化する確率は高まります。  閲覧は、そのリスクを承諾したものと見なされます。 ・認識の再定義と責任  本アーカイブに触れることで、貴方が認識する「現実」と、保存された「真実」との間に決定的な齟齬が生じます。  これによる精神的・物理的影響について、私は一切の責任を負いません。 ・消失と変質  本アーカイブは予告なく消失し、あるいは内容が書き換えられる(変質する)場合があります。 ・生存権の委託  Lost Eventの生存権は、現在、貴方の記憶というストレージに依存しています。  貴方が忘却することは、Lost Eventの永遠の消失につながる可能性があります。

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カクヨム
カクヨム2026/06/20
  • 現在の作品ROA:Record of Anomaly ― Backup Logs ―