あらすじ
苦しみを知ってなお、人は、繋がりを選べるか――。
辺境の村で狩りに生きてきた青年エイジは、胸の奥に、名前のつかない空白を抱えていた。ある雨上がりの朝、帝国軍の小隊長リリアが村を訪れる。幼馴染のアマラを加えた三人は、古代の遺物に導かれるように、旅へ出た。
学園都市で遺物の謎を追ううち、エイジは「お前は、学術的に特異だ」と告げられる。けれど、自分が何者なのかは、誰も教えてくれない。問いを抱えたまま、三人の旅は続いていく。
――第三部 決意編。
辺境の集落へ討伐に赴いたリリアが見たのは、老人と子どもだけの、戦う術を持たない人々だった。「戦闘対象なし」。そう報告した彼女に、帝国本部は、冷たく返す。「執行せよ」。
十年ぶりに再会した父が手渡したのは、信じてきた国の、闇を記した証拠だった。
弓を番え、リリアの前に立ったとき、エイジの旅は、その意味を変える。逃げるための旅から、護るための旅へ。
信じたものに裏切られたとき、人は初めて、本当の自分と向き合う。
三人の旅が、いま、最も深いところへ踏み込んでいく。