あらすじ
下層民として生まれたルカとアレンは、かつて同じ飢えと理不尽の中で育った。
アレンは転生者だった。
奇跡を起こす力を持ち、その力で腐った国を変えようとしていた。
だが奇跡には代償がある。
大きな奇跡を起こすたび、アレンの記憶は少しずつ失われていく。
「俺が道を踏み外したら、お前が俺を殺せ」
王になる前、アレンはルカにそう頼んだ。
合言葉は「守る」。
民を守るため。
そして、暴君になった未来の自分を守るため。
やがてアレンは革命を成し遂げ、王となった。
国は変わった。
飢える民は減り、貴族の横暴も消えた。
けれど、出生階級の刻印は残った。
通行は制限され、検問は増え、法の名のもとに下層民が処刑されるようになった。
王は言う。
「今は必要だ。いずれ緩める。必ず良くなる」
そしてルカは気づく。
親友はもう、あの日の約束を覚えていない。
だからルカは、王が忘れた約束を果たす。