あらすじ
婚約者ジュリアンの放蕩と、グレイザー伯爵家の実務を一人で支えてきたエリー。
しかし大夜会の壇上で、ジュリアンは男爵令嬢を抱き寄せ、エリーへ婚約破棄を突きつけた。
心も体も擦り切れ、雨の中を実家へ戻ろうとするエリー。そんな彼女の馬車へ乗り込んできたのは、「氷刃公爵」と恐れられる魔術公爵レオナルトだった。
「君を迎えに来た」
彼が差し出したのは、温かな木苺のタルトと、エリーを守るための国王の特許状。
一年前、冬の庭園でエリーに救われたレオナルトは、彼女の意思を無視せず助けられる日を待ちながら、準備を続けていたのだ。
公爵家で休み、少しずつ自分の意思を取り戻していくエリー。
一方、彼女を便利な労働力として扱っていたグレイザー伯爵家では、放蕩と未払いのツケが一気に表面化して――。
これは、誰かの後始末ばかりしてきた令嬢が、一途な公爵の隣で自分の人生を選び直す物語。