あらすじ
七日間降り続く雨に包まれた町。
高校二年生の結衣は、学校帰りに偶然「雨彩堂」という不思議な店へ迷い込む。そこには時計の代わりに無数のガラス瓶が並び、それぞれの瓶には「誰かの人生に降った特別な雨」が閉じ込められていた。
店主の老人は、雨には人々の記憶や感情が宿るのだと語る。告白の日の雨、夢を諦めた日の雨、別れの日の雨――瓶の雨に触れると、その瞬間の記憶が鮮やかによみがえるのだった。
やがて結衣は、自分自身の雨が入った瓶を見せられる。一年前、親友の美咲と喧嘩別れした雨の日の記憶。謝りたかったのに意地を張り、関係を壊してしまった後悔が胸にあふれる。
老人の「過去は変えられない。でも、未来に降る雨は選べる」という言葉に背中を押された結衣は、美咲へ謝罪のメッセージを送る。
翌日、二人は互いに「ごめん」と伝え合い、止まっていた時間が再び動き始める。その時降り出した小さな雨は、新しい未来の記憶を刻む雨だった。
不思議な雨を集める老人と出会った少女が、過去の後悔を乗り越え、未来への一歩を踏み出す心温まるファンタジー