あらすじ
ブラック企業で心身ともにすり減らしながら働くOLの七瀬実乃梨(ななせ みのり)。
彼女が過酷な毎日を生き抜くことができるのは、同棲している年下の恋人・陽翔(はると)の存在があるからだった。
家に帰れば、いつも美味しい手料理と優しい笑顔で迎えてくれる完璧な彼氏。
過酷な現実の中、彼と囲む温かい食卓だけが実乃梨にとっての世界の全てだった。
しかし、会社の同僚からの「一人分の食材しか買っていないのでは?」という何気ない一言をきっかけに、実乃梨の『幸せな日常』に小さな違和感が生まれ始める。
一人分しか減らない食費。
ゴミ箱に捨てられていない料理の残骸。
いつも乾ききっている彼の青い歯ブラシ。
そして、決して実乃梨と一緒に食事をとろうとしない陽翔。
「……ねえ、私の彼氏は、本当にそこにいるの?」
極限の疲労とストレスの果てに彼女が辿り着いた、優しくて狂気に満ちた「二人分の食卓」の真実とは――。